終活の心得~具体的な終活に向けて~

人生の終わりを考えることは、誰にとっても避けて通れないテーマです。しかし、「終活」という言葉が持つ重みや、何から始めれば良いのか分からないと感じている方は多いのでは?そんなあなたのために、終活の具体的な進め方をお伝えします。この記事を通じて、終活が決して恐れるべきものではなく、むしろ今の自分を見つめ直すチャンスであることを理解していただけるのではないでしょうか。安心して次のステップに踏み出せるよう、一緒に考えてみませんか。

終活の6つの心得

photo by ぱくたそ

①自分が満足する生き方、締めくくり方を発見していく
②家族や周囲に過大な期待をしない
③お金だけではないセキュリティーネットを作っておく
④ユーモアと感謝を忘れない
⑤余計な遠慮はしない
⑥これだけはしてほしくないこともはっきり伝える

終活は年齢に関係なく、始めようと思った時が開始の時。知力・体力・気力が充実している時期から始めることが大切です。

①自分が満足する生き方、締めくくり方を発見していく

死が近いことを実感した多くの人が思うのは「やりたいことをやればよかった」という後悔の気持ち。あなたの人生には、やりたいことがどれだけありますか?「時間がない」「お金がない」といった壁に阻まれ、実現できない夢が積み重なっているのではないでしょうか。終活を考える際、自分の人生を振り返り、満足する生き方を見つけることは非常に重要です。

自分が満足してこの世を旅立つために「やりたいことリスト」を作成してみてはいかがでしょうか。今すぐ叶えることができるような容易なものから、かなりハードルが高い夢のようなものまで自分の思うがままに書き出してみましょう。

書き出していくうちに、自分がやりたいことや必要だと思うものの優先事項が見えてきます。そして、それを叶えるためにはどうしたらいいのかを考えることができるようになります。

漠然としていた自分が望む生き方や締めくくり方を見つけていくことは終活において一番重要なことです。

②家族や周囲に過大な期待をしない

終活を進める中で、家族に対する過度な期待は、思わぬトラブルを引き起こす原因となることがあります。

「言わなくても理解してくれている」「伝えなくても自分の望み通りに動いてくれる」「あとのことは全て任せる」

と、人生の終わりに向けて対話や文章で残すなどしないでおくと、あなたが期待することと、家族が『あなたに良いこと』だと思ってしてくれることに違いが生じても仕方ありません。

家族とのオープンな対話を促進することで、より良い関係を築きながら終活を進めていきましょう。家族との関係を大切にしつつ、自分自身の希望や考えを明確にすることが、より円滑な終活を実現するための鍵となります。

終活に向けての悩みを解決したい人に向けたブログです

③お金だけではないセキュリティーネットを作っておく

お金があれば大抵の悩みや望みはクリアできますが、お金では解決できない心の問題や、人生の終わりに向けた不安を解消するには人とのつながりがあることは非常に心強いものとなります。

例えば一人暮らしの方など「もし、ここでいつの間にか倒れてしまって誰にも気づかれなかったら」という不安を抱えている人も多いでしょう。「人との付き合いなんて面倒」だと考える方もいますが、あなたのことを気にかけてくれる人がいることは重要なことなのです。

また、同年代の友人ばかりだと同じ頃に体の自由が利かなくなり、会う頻度も下がりお互いを気に掛けることが少なくなってしまう傾向も高いです。

できるだけ年齢の異なる友人、近所付き合い、ボランティア、趣味の集まりなど、多様な人との関わりを持つことで、経済的なセキュリティーだけでなく、心の安定にも繋がります。

「家族がいれば十分」と考える方も少なくありません。確かに、あなたのことを気にかけてくれる家族がいれば不安な要素はぐっと減るのも間違いではありません。

しかし、家族以外の繋がりを通じて築かれるコミュニティが、あなたの人生を豊かにし、安心感をもたらしてくれることも事実です。終活を考える際には、心のセキュリティーネットも意識し、豊かな人間関係を築いていくことが大切です。

④ユーモアと感謝を忘れない

終活を進める中で、どうしても避けられないのが「悪口や愚痴」。身体が思うように動かない時や、介護を受ける中でのストレスが溜まると、ついネガティブな感情が口に出てしまうこともあります。しかし、このような言葉を発することで、周囲との関係を悪化させることも多いのです。

そこで大切なのは、感謝の気持ちを持ってコミュニケーションを行うことです。自分の身の回りにいる人々がどれだけ支えてくれているかを再認識し、その感謝を言葉に出すことで、周囲との関係がより良好になります。また、ユーモアを交えることで、終活の話題も軽やかに進むことができます。「これからはもう、いい思い出を作るために、笑いながら生きていこう」とあなた自身が意識することで、終活が楽しいものに変わります。

「すみません」より「ありがとう」

私たちは「すみません」という言葉を非常に便利に使います。謝罪のときだけではなく、感謝のときも「すみません」や「ごめんね」という言葉を使う人も多いのではないでしょうか。感謝の意味で使っている人は「ありがとう」に変えてみるだけで、言った側も言われた側も心持ちが変わってきます。

例えば、介護中に何かお手伝いをしてもらった時「すみません」より「ありがとう」と相手の行動を素直に受け取ってみましょう。


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⑤余計な遠慮はしない

よく自分の意図しないところで手伝いをしてもらった時や物をもらった時など「遠慮を美徳」とする人がいます。

周囲の人が、あなたが快適に過ごせるだろうと考えて動いてくれた結果、本当は嬉しいのに「こんなことしてくれなくても」と相手の行動を遠慮してしまう人がいます。しかし、相手の行動は「あなたに良かれと思って」示した態度です。

例えば、あなたが使っていた枕がくたびれてきたので新しい枕を買ってきてくれた家族に、本当は嬉しいのに、遠慮して「もったいない」や「まだ使えたのに」と遠慮してしまう人がいます。枕を買ってきた人はどう思うでしょうか。あなたが快適にすごせるようにと考え、良いものをと選び、喜んでくれるだろうと渡したのに?と好意と行動を無駄にしてしまいます。

相手の好意を素直に受け取り、余計な遠慮をするのをやめましょう。この時も「すみません」ではなく「ありがとう」と伝えてみましょう。

⑥これだけはしてほしくないこともはっきり伝える 

⑤で余計な遠慮はしないとお話しましたが、遠慮ではなく「してほしくないこと」はちゃんとはっきり伝えることもとても大事です。

嫌だと思っていることを伝えず「ありがとう」となんでも行動や感情を受け取ってしまうと、周囲は「喜んでいる」と判断します。そのため、嫌なことは何度も繰り返し行われる可能性は非常に高いです。

先ほどの例に出した枕の購入も「買ってもらって嬉しかったけど遠慮する」のと、「本当は自分で選んで買いたかったので勝手に買ってきてほしくない」では大きく違います。

終活とは自分の意志を明確にして周囲に伝わる仕組み作り



あなたらしい平穏な最期を迎えるためには、自分の意志を明確にし、周囲に伝える仕組みを作ることが重要です。終活は、あなた自身の人生を豊かにし、周囲の人々に安心を与えるための大切なプロセスです。
自分の価値観を見つめ直し、具体的なプランを立て、感謝の気持ちを伝えることで、より良い終活を進めていきましょう。人生の最後の瞬間まで、自分らしく生きるための準備を今から始めてみませんか?